ショパンのピアノ指導方法

ショパンの弟子が語るピアノ指導方法

ショパンの教育

ショパンの弟子ならどんな水準の人であれ、音階の他にクレメンティのクレメンティグラドス・アド・パル標準版を特に第一番変イ長調を必ず勉強させられてました。少しでも無味乾燥で固い音を出すと厳しく注意されて、やり直しを命ぜられたのです。

その上弟子はそもそもの始からアルペッジョにぶつかるのですからこれでは泣きっ面に蜂をいうものではありませんか

クレメンティ変イ長調

これはクレッシェンドで早く弾くのですが、粗暴なところがあってはなりません。女弟子の一人がこのアルペッジョを弾いていたときのことです。ショパンは椅子から飛び上がって「なんですか、それは！　犬の吠え声じゃあるまいし」と叫びました。

この厄介なエチュードは、あらゆる奏法で練習しなければなりませんでした。速く、またゆっくり、そしてフォルテでピアノで、スタッカトとレガートで、タッチが均等になり、軽妙でありながら弱々しさが感じられないようになるまで練習したものです。

ショパンの弟子　ザレスカ/クレチヌスキ

それからショパンはクラマーのエチュードと、クレメンティの練習曲クレメンティグラドス・アド・パル標準版から数曲選んでくれた。モシェレスの「新しいエチュード」おそらくＯｐ９５を好んで取り上げたのは、これが技法をマスターするには好適だと考えたからである。

バッハの組曲や、平均律から個々に取り出したフーガなどを弾かせることもあった。自作のエチュード作品10 作品25は非常に程度の高い弟子にしか、弾かせようとはしなかったのである。

ショパンの弟子　ミクリ

初心者の場合はクレメンティ、バッハ、フィールドから得るところが一番多いものです。

ショパンの弟子マチアス/ニークス

クレメンティのクレメンティグラドス・アド・パル標準版とバッハのフーガとそれにフンメルの曲が、ピアノ演奏の鍵になる。というのがショパンの意見でした。自作の曲を練習する準備としては、この３人の曲を勉強するのが一番良いと考えていたのです。

ショパンの弟子グートマン/ニークス

ショパンの書いたピアノのメカニズムの勉強について思うことは、音楽の表現の仕方は無限だが、その表現する手段には限りがあるという事だ。

教育する側であっても、無限大にあるかのようなテクニック教育ではなく限られたテクニックで無限に広がる芸術表現の仕方を教えたかったのではないだろうか・・・・

だからこそ、最小限のピアノのメカニズムの勉強として３つに分けたのだと思う。アクロバット演奏のために、無益なレッスンを繰り返しても実質を欠いた難しさへの挑戦以外の何ものなかったのではないだろうかだからこそ、そのようなレッスンの難しさは、巨匠の音楽の難しさとは別だと・・・・

ショパンが演奏解釈で面白い事をいっている。

「ニュアンスで大切なのは結果だけであり、聴衆に与える印象なのです。そのような印象がどうして生み出されたか、という事は問題になりません。大事件が起きたら、そのニュースが大声で叫ばれようが、そっと耳打ちされようがどちらにしても驚きの余り口もきけなくなるのは同じではありませんか」

ショパンのピアノ曲を書いてみよう。

書いて覚えるショパン

難易度高い曲でも書いてみると案外難しくなかったりします。書くという事は時間がかかるようですが、実際には書いている間に、目が音符の複雑さに慣れてきて書き終わる頃は弾けたりするものです。楽譜作成ソフトを使って自分で書いて、書いた楽譜を再生してみましょう。

紹介している下記のソフトは、パソコンでの楽譜制作に挑戦したい音楽サークルや、音楽教室で使う楽譜を自作したい手持ちの楽譜を電子化して、パソコンで再生させたい、移調楽器など別の楽器で演奏する場合やピアノ伴奏などの移調譜を手軽に作れます。

書いた楽譜をキレイに印刷して一冊のオリジナル楽譜集として製本もできます。表紙をキレイに作り、タイトルをいれて完成させることができます。音感トレーニング用のオリジナル楽譜を書く事も簡単にできますし、ドラム譜、バンドスコアなども簡単に作れます。

パソコンで楽譜を書くのは初めてという方でも安心です。ソフトの評判より、ソフトのマニュアルの判りやすさで選べと言われますように、特に初心者の方には判り易いマニュアルは強い味方となります。マニュアル付のソフトを紹介します。本書の解説に従って進み簡単な楽譜をまず書いてみると、楽譜作成の手順が判りその後の進歩も早いと思います。価格も手頃ですのでお薦めです。

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